「歯周病」が悪くなると「糖尿病」も悪化するのですか?

1.糖尿病は「生活習慣病」の一つで、日本では多くの方がかかる病気です。
厚生労働省でおこなう「平成24年の国民健康・栄養調査(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000032074.html)」では糖尿病の有病者と糖尿病が強く疑われる人は約2,050万人と推計されています。


2.「歯周病」と「糖尿病」の関係について


歯周病とは口の中の悪い細菌によって、歯肉が炎症や腫れなどを起こし、歯肉と歯の間の隙間が深くなり、歯を支える骨などを溶かして、最悪歯が抜け落ちてしまう病気です。

初期の段階では痛みを感じることが少ないため、そのまま放置をしてしまい、悪化させてしまう方も多くいらっしゃいます。

一見関係のない事と思われている「歯周病」と「糖尿病」は近年の研究でお互いに影響をしあうことが分かってきています。

歯周病を治療をしないまま放置することにより、患部の細菌がどんどん増えていき、 骨を溶かすだけではなく、血管の中に細菌が侵入して毒素を出し、 それが原因で血糖値が上がってしまい、糖尿病に悪影響を与える原因の一つになる事が分かってきました。

また、糖尿病の方は歯周病にかかっている方が、多いことも調査の結果で出ています。

さらに糖尿病の方は歯周病がより重症化しやすい傾向もわかってきています。

つまりお互いの病気がお互いの症状を悪くしあってしまうことがあるのです。

※実際に「歯周病」を治療することにより血糖値が下がることも報告されています。


3.歯や歯ぐきをきちんとケアすることは全身の健康につながります。
口の中には沢山の細菌が住んでいます。

歯や歯ぐきが良い状態であれば、悪い影響を与えることはあまりありませんが、歯周病などによって歯ぐきや歯肉から血管内に細菌が侵入しやすい状況になってしまうと骨粗しょう症や誤嚥性肺炎などの多くの病気に悪い影響を与えることが分かってきています。

さらに歯周病菌が血流に乗り、心筋梗塞や脳梗塞、心内膜炎などの原因になることもあります。

歯周病は日々の食事や歯磨きなどの生活習慣や定期的な健診によって予防や早期発見が可能です。

もし、歯周病にかかったとしても現在の医療技術でしたら、多くの方が完治をすることが可能になってきていますので、歯に関してご不安なことがありましたら、できるだけ早く、お近くの歯科医院で治療を受けることをお勧めいたします。